モルミル株式会社(以下 「モルミル」、所在地:奈良県橿原市、代表取締役:森 英一朗)は、OrganoTherapeutics(以下 「OT」、所在地:ルクセンブルグ エシュ=シュル=アルゼット、CEO:Jens C. Schwamborn)と、パーキンソン病治療薬開発のための、共同研究の実施に合意いたしました。
神経変性疾患であるパーキンソン病は、50歳以上で発症することが多く、厚生労働省の調査では、日本国内の患者数は約25万人(2020年時点)と報告されています。高齢化に伴い、今後も患者数の増加が予測されています。
モルミルのコア技術であるCHEmir(読み:「ケムミル」 、分析化学的手法)、MAGmir(読み:「マグミル」、溶液NMR法)は、従来は困難とされていた、分子の状態変化を解析することを可能にします。CHEmirでタンパク質の動きを評価し、MAGmirで1つの分子のふるまいを、原子レベルで検出することができます。
現在モルミルではこの技術を利用し、神経変性疾患のひとつである、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する治療薬開発を進めています。
OTは、患者特有のヒト中脳オルガノイド(*1)の作製において最前線に立ち、治療薬スクリーニングや病態再現のための、生理学的に信頼性の高いプラットフォームを提供しています。彼らの技術により、実際の患者で起こっている病態を反映した神経変性疾患の研究を行うことが可能となり、効果的な治療薬候補の絞り込みをスムーズに行うことができます。
本共同研究では、モルミルの分子の状態を「ミル」技術と、OTの病態モデル再現技術を組み合わせ、新たな治療薬の実現を加速させます。
注釈(*1) ヒト中脳オルガノイド :ヒト由来の細胞から作製した、神経幹細胞による臓器様細胞塊
【OrganoTherapeutics SARL】
OrganoTherapeutics SARLは、ルクセンブルグ大学教授のJens Schwamborn氏がCEOを務める、アカデミア発のバイオベンチャー。神経変性疾患の治療薬開発をミッションとし、現在はパーキンソン病に焦点を当てる。
パーキンソン病のような複雑な疾患の治療薬開発には、複雑な病態の再現が不可欠であると考え、パーキンソン病患者由来のオルガノイド、アッセンブロイドモデル(*2)の作製を行う。
これらのオルガノイド、アッセンブロイドモデル作製法は知財化されており、過去6年間でヨーロッパ、アメリカ、日本のアカデミアや企業の共同プロジェクトで活用されている。
https://www.organo-therapeutics.com
注釈(*2) オルガノイド、アッセンブロイドモデル :3次元培養によって作製された臓器様組織・細胞塊
【モルミル株式会社】
モルミル株式会社は、奈良県立医科大学、産業技術総合研究所、徳島大学の3機関認定を受けたアカデミア発ベンチャー。コア技術であるCHEmir、MAGmirを始めとするアカデミア発技術シーズの集約による創薬エコシステムの開発により、現在治療困難な疾病の患者様へ、治療法を届けることをミッションとする。
代表の森がアカデミアで培った実績や人脈を活かした、13機関、15名の幅広い分野の科学顧問陣や技術提携先を擁し(TEAmir(読み:「チームミル」))、臨床医や研究者と連携しながら、製薬プロセスにおけるあらゆる課題を理解し、解決策の提示を目指す。