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後天性フォン・ヴィレブランド症候群(AVWS)に対する革新的診断・治療開発に向けた共同研究を開始              ― 奈良医大 × モルミル株式会社:血栓止血領域の国際的ブレイクスルー創出を目指して ―

2025 12/13
研究
2025-12-13 2025-12-12

モルミル株式会社(所在地:奈良県橿原市、代表:森 英一朗)は、奈良県立医科大学(所在地:奈良県橿原市、学長: 細井 裕司、以下、奈良医大)と共同で、後天性フォン・ヴィレブランド症候群(Acquired von Willebrand Syndrome: AVWS)に対する標的治療薬および新規診断技術の開発に向けた共同研究を開始しました。本研究は、増加する臨床ニーズに応える革新的アプローチを提供し、希少疾患領域における国際的な医療価値創出を目指すものです。

奈良医大は、血栓・止血異常領域において日本を代表する研究拠点として、特にAVWSの病態解明・診断・治療開発において世界的な研究成果を積み重ねてきました。

AVWS は、血液凝固に重要なフォン・ヴィレブランド因子が後天的に減少または機能低下することで生じる、まれな出血性の病態です。とくに、体外循環補助装置(人工心肺や心臓補助装置など)を使用する際には、機械的な血流の影響により本症が発症しやすいことが知られています。また高齢化の進行に伴い、心不全や心臓手術などでこれらの補助循環機器を使用する患者が増加しており、AVWS の臨床的重要性は今後さらに高まると考えられています。

AVWS は以下のような多面的な不利益を患者にもたらすことが知られています。

・出血により生活の質(QOL)を低下させる
・手術や侵襲的処置の安全性を損なう
・基礎疾患治療の選択肢を制限する
・輸血など医療リソースの増大につながる
・診断が難しいため適切な治療開始が遅れやすい

これらの課題から、臨床現場ではより早期で正確な診断技術および病態機序に基づく新規標的治療薬の開発が強く求められています。

◆ 研究体制と学術的背景

奈良医大では、AVWS 研究の世界的第一人者である輸血部・血液内科の松本雅則教授が長年にわたり基礎から臨床に至る研究を牽引してきました。さらに、循環器内科の彦惣俊吾教授らが研究に加わることで、補助循環装置を装着した患者における AVWS の発症メカニズムや臨床的影響について先進的な研究が進められています。

これらの基礎研究・臨床研究が学内で有機的に連動することで、本領域における独自かつ高度な研究体制が構築されています。また、奈良医大ではAVWSに関する最新知見を共有し、関連分野の専門家との連携を強化するためのAVWS研究会が今後開催される予定であり、学術的発展への寄与も期待されています。

◆ 共同研究の開始について

このたび奈良医大発スタートアップであるモルミル株式会社は、奈良医大と共同で、AVWS の発症メカニズム解明と、治療ソリューション創出・新規診断技術開発を目的とする共同研究プロジェクトを正式に開始しました。本研究は、国際的アンメットメディカルニーズを抱える希少疾患領域に対し、学術と産業が連携して新しい医療価値を創出する取り組みであり、国際市場における競争優位性を高める研究として関心が寄せられることが期待されます。

研究
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